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5. 高尾のはちみつを使ったお菓子作り
-プリン編-
―前回のあらすじ―
たまプラーザ店シェフパティシエ・山本が担当するドゥミセックの詰め合わせも無事に完成へ。今回はトリエ京王調布店のシェフパティシエ・内藤が、はちみつを使ったプリン作りに挑みます!
東京・神奈川にレストラン、およびアトリエうかいを展開するうかいグループ。
アトリエうかいといえばクッキー缶など焼き菓子のイメージが定着していますが、うかいのレストランでもアトリエうかいでも親しまれている思い入れの深い生菓子が存在します。
それが「プリン」です。
温もりある調布の街に
映えるスイーツとして。
“丸みをおびた 白い瓶
てのひらにやさしく 寄り添って
そっとすくった ひとさじに
ほっとこころ あたためるかしら…”
2017年のトリエ京王調布店オープンをきっかけに誕生した、瓶入りのプリン。
お客様にお渡しする際に添える商品紹介のリーフレットは、こんな書き出しで始まります。
ころんとしたフォルムのガラスの小瓶。
レストランで使われる白磁の器を思わせる、品のある佇まい。
触れるとひんやり冷たいけれど、どこか温もりを感じる存在感。
プリンから漂う甘い香りから伝わる、ノスタルジーな風情。
お客様が目にした時、手に持った時、口にした時の印象を丁寧に想いながら作り上げたプリン。
味や香りはもちろんのこと、お召し上がりの最後までスプーンですくいやすいようにと瓶の形状にもこだわりを徹底した商品です。
味種としては、これまで「バニラのプリン」「フロマージュプリン」の定番商品の他、イチゴやマンゴー、栗など季節限定のプリンを販売してきました。
どのプリンも個性豊かで、ひとさじすくって味わえば、舌ざわりはどこまでもなめらか。口の中に広がる優しい香りと共に、こだわりの牛乳や卵などたしかな素材が奏でる美味しさをお楽しみいただけます。
トリエ京王調布店のオープン時、店舗の看板商品として何を掲げるかパティシエたちは長い期間をかけて悩んでいました。
吟味を重ねた結果、たまプラーザ店やうかいのレストラン各店で定番のプリンを、お持ち帰りいただきやすいスタイルにしてみてはどうか?という結論に。あたたかさに満ちた調布の街で作り出すお菓子として、どこか懐かしさを感じるプリンはこれ以上ないほど相応しい存在に思えたのです。
そうして誕生した瓶入りプリンは、発売当初から一躍人気に。「他の店舗でも取り扱ってほしい」と多くのリクエストをいただき、現在ではエキュート品川店でも定番商品として販売しております。
はちみつの魅力を、
プリンに映して。
今回のL’ABEILLEコラボレーションに携わるシェフパティシエの一人である、トリエ京王調布店の内藤。彼は採蜜体験を通して、貴重な一次産業の現場に立ち会えたことへの感謝と共に、採蜜スタッフたちの丁寧な仕事に対する姿勢にも感銘を受けていました。
野山を想い、ミツバチたちを丹念に慈しみながらはちみつを取り出す作業そのものが、繊細なはちみつの味わいに繋がっていると感じたのです。
ミツバチの労働と、採蜜スタッフの手仕事の結晶である百花蜜の魅力を、余すことなくお届けしたい…。
そんな思いから、生菓子に百花蜜を用いることではちみつの美味しさをストレートにお伝えできるのでは?と考え、自身が開発に携わったプリンで表現することにしました。
もともと乳製品との親和性が抜群であるはちみつは、プリンの素材としても最高にマッチする存在。今回はプリン生地に春の百花蜜を用いて、卵や牛乳の豊かなコクと共に華やかな風味を楽しんでいただける味わいに。生地の底には種入りのフランボワーズジャムと春の百花蜜を合わせた甘酸っぱいソースを敷き、表面には初夏の百花蜜とレモンを皮ごと使った爽やかなジュレを流しました。3層それぞれにはちみつを使用することで、全体の印象としてはちみつの輪郭をはっきりと感じ取れるような味わいに仕立てています。
プリン生地とレモン、フランボワーズ。それぞれの華やかな風味が響き合う中で、はちみつが全ての素材を繋ぎ合わせ、どこまでも深い余韻を残す極上のはちみつプリンが出来上がりました。
アトリエうかいと、うかいのレストランの歴史が息づくプリンと、うかいグループのルーツである高尾の自然が育んだ百花蜜。双方が出会い奏でる特別な味わいを、ぜひ皆様にもお楽しみいただけたら幸いです。
たかがプリン、されどプリン。
うかいグループにおけるプリンのルーツは、20年前ほど前に遡ります。
当時、鉄板料理・横浜うかい亭で製菓担当として働き始めたばかりだったグランシェフパティシエの鈴木。まだ新米パティシエの一人だった彼は、「うかい亭での食事のフィナーレを飾るデザートには、一体何がふさわしいのか?」と思い悩んでいました。
当時のうかい亭のデザートといえば複雑な構造のものがメインで、名称自体も長く、お客様が選ぶ際に少し迷われているような印象がありました。
その頃は男性が女性のお客様をエスコートしてうかい亭へご来店されることが頻繁にあった時代。
「ぱりっとしたスーツを着た品のある男性が、素敵な女性と一緒に召し上がっていて絵になるデザートは何なのか…そうだ、敢えて素材感のあるシンプルなデザートはどうだろう?」
そう思いついた鈴木は、基本に立ち返り、昔ながらのクラシックな風情を纏ったプリンをレストランデザートとして提案することに。誰もが童心に帰ったような気持ちで安心して味わえるプリンは、社内はもとよりお客様からも大変な好評をいただきました。いまでもうかい亭や各レストランの定番デザートとして多くの方々に愛されているのはもちろん、たまプラーザ店でも「クレームアンヴェルセ」という名称で、当時のレシピをもとにご注文いただいてから型から外すレストランスタイルのプリンとして作り続けています。
ガラスの小瓶に込めた想い。
幅広い年代の方に、末永く親しまれてほしいという想いを込めて。
アトリエうかいのプリン瓶には、古くから世代を問わず愛され続けるものの象徴としてメリーゴーランドの絵柄が施されています。
瓶はその愛らしい見た目から、プリンを美味しくお召し上がりいただいた後も調味料入れや小物入れとして多くの方にご利用いただいております。
遊園地の永遠の人気者、メリーゴーランドのように。暮らしの中で、この小瓶がいつまでも皆様に愛され続ける存在であることを心より願っております。
次回は、
10月26日(水)〜11月1日(火) に大丸東京店で行われる
催事出店の詳細をご紹介。
期間中はこれまで当コラムでご紹介した
L’ABEILLEコラボレーション商品を
店頭にて一斉に販売いたします。
(10月26日(水)より、アトリエうかい各店でも数量限定で販売予定です。)
ご来店を心よりお待ちしております!
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